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經典釋文陸徳明 經典釋文
【けいてんしゃくもん】
唐の陸徳明の撰。主な経書(『老子』『莊子』も含む)の正文の諸字についてその正確な発音を反切・読若法などを用いて示している。六朝期の佚文を多く含んでいる点でも貴重である。特に、はじめの「序録」の部分は有用であり、「注解傳述人」は、経学史研究のうえで必携である。テキストには宋本(現北京図書館蔵)があり、上海古籍出版社から影印されているが、一般の使用には、誤字があっても通志堂經解本の方が便利であろう。「四部叢刊」もそれを取っているが、中華書局影印本が圏点を施してあり見やすい。黄焯編『經典釋文索引』(中華書局)が対応している。黄焯『經典釋文彙校』(中華書局)は、盧文弨『經典釋文考證』の成果も取り入れており必ず参照したい。また、「序録」のみに詳細な注を付けた呉承仕『經典釋文序録疏證』があり、中華書局から標点本が出ている。音注を施した学者についてまとめた、呉承仕『經籍舊音序録・經籍舊音辨證』(中華書局)、王利器「經典釋文考」(『曉傳書齋集』所收・華東師範大學出版社)を参照のこと。
制作・著作:澁澤 尚 / 秋山 陽一郎
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