Top - 工具書提要 - 史部・正史類
二十四史二十四史
【にじゅうしし】
清の乾隆帝の時に、勅命によって決定された正史の総称。『史記』『漢書』『後漢書』『三國志』『晉書』『宋書』『南齊書』『梁書』『陳書』『魏書』『北齊書』『周書』『隋書』『南史』『北史』『舊唐書(くとうじょ)』『新唐書』『舊五代史(きゅうごだいし)』『新五代史』『宋史』『遼史』『金史』『元史』『明史』の二十四種。

正史とは、『史記』の体裁にならった紀伝体の歴史書のことである。故に、編年体で書かれた『資治通鑑』(中華書局の標点本あり)等を正史と呼ぶことはない。「二十四史」から『舊唐書』『舊五代史』『明史』を除いたものを「二十一史」と呼び、「二十四史」に『新元史』を加えたものを「二十五史」と言う。

版本としては、乾隆末、武英殿で刊刻した「殿版」、商務印書館が、主に宋本を集めて影印した「百衲本」が著名である。一般には、中華書局の標点本が『清史稿』も含んでおり便利である。張忱石・呉樹平編『二十四史紀傳人名索引』(中華書局)がある。本伝・付伝がない場合には、全てではないが各正史に対応した詳細な人名索引・地名索引も出ている。これら標点本の縮印本も刊行された。また、「二十四史研究資料叢刊」(中華書局)もシリーズとして少しずつながら出版されてきており、これは後述「二十五史補編」を中心に標点を施したものである。なお、これらの正史について、清代考証学の立場から書かれたものとして、王鳴盛『十七史商榷』、錢大昕『廿二史攷異』(江蘇古籍出版社から『嘉定錢大昕全集』の一冊として標点された)、趙翼『廿二史箚記(にじゅうにしさっき)』(中華書局から王樹民『廿二史箚記考證』が出ている)があり、それぞれ参考にすべきものである。前二史でいえば、近人の楊樹達『漢書窺管』(上海古籍出版社)、陳直『史記新證』・『漢書新證』(天津人民出版社)、劉操南『史記春秋十二諸侯史事輯證』(天津古籍出版社)、黄慶萱『史記漢書儒林傳疏證』(嘉新水泥公司)等も利用したい。

e-search
 台湾中央研究院「漢籍電子文獻」(Big5)【定】
  (中華書局、標点本二十四史)
(※三家注や顔師古注、李賢注といった、主だった正史の注釈まで検索可能。)

'99,10,4、齋主補足)

制作・著作:澁澤 尚 / 秋山 陽一郎
All Rights Reserved to H.Shibusawa & Y.Akiyama since 1999.