二十五史補編

開明書店 二十五史補編
【にじゅうごしほへん】

前述「二十五史」に対する主として清朝考証学の成果を集めたもので、240余種を収める。正史を使用するに当たって、対応するものがある場合には、参照することが望ましい。例えば、『漢書』の「地理志」を用いる場合は、呉卓信『漢書地理志補注』、呂呉調陽『漢書地理志詳釋』等の該当箇所に当たるべきである。古く開明書店から圏点本で出版されたが、今は中華書局がそれを重印しており利用しやすい。

第１冊	『史記』『漢書』	第４冊	『梁書』～『隋書』
第２冊	『漢書』『後漢書』『三國志』	第５冊	『南史』『北史』両『唐書』
第３冊	『三國志』～『南齊書』	第６冊	両『唐書』～『明史』

□補足
　上記に挙げられているもの以外では、殊に第四冊の姚振宗『隋書經籍志考證』が、『隋書』經籍志に収録されている、古佚書を含む全書物について、幅広い文献から材料を集めて考証を行っている大変な労作で、中国中世史研究者なら必見の工具書と言えよう。猶、姚氏『考證』の直前に収録されている、章宗源『隋書經籍志考證』も、姚氏に先行する同種の業績だが、惜しむらくは史部しかカバーしていない。

（'99,10,4、齋主補足）
（'02,5,6、齋主改訂）