Top - 工具書提要 - 集部・総集類 |
|||||
彭定求 全唐詩 【ぜんとうし】 |
|||||
清の康熙帝の敕命により、彭定求らが編集した唐詩の総集。作者2,200余人、作品数48,900首にのぼる。しかし、なお遺漏があり、江戸時代の学者市河寛齋は、『文鏡祕府論』等に載って伝存する詩を集めて『全唐詩逸』を著した(後に中国にもたらされて「知不足齋叢書」に収められた)。「全唐詩」については、中華書局の活字本(巻末に『全唐詩逸』を収める)が便利。別に陳尚君編『全唐詩補編』(中華書局)があり、敦煌出土の詩篇をも輯佚している。この両者に対応する張忱石『全唐詩作者索引』(中華書局)もある。近年、現代出版社・中華書局より各詩人毎の逐字索引が刊行されている。また、詩人どうしの詩の応酬については、呉汝煜編『唐五代人交往詩索引』(上海古籍出版社)があり、中華書局『全唐詩』に対応している。より専門的には、陝西人民教育出版社「唐詩研究集成」の佟培基『全唐詩重出誤收考』・陶敏『全唐詩人名考證』、山東教育出版社の楊建國『全唐詩一作校證集稿』等がある。また、平岡武夫編『唐代の詩篇』(同朋舍)は有用である。なお、著名な唐詩の選集としては、宋の周弼『三體詩』、(伝)清の李攀龍『唐詩選』等がある。前者は、七絶・五律・七律の三詩体の作品のみを494首集めたもので、特に中・晩唐期のものが多く、李白・杜甫に至っては一首も選ばれておらず、『唐詩選』と対照的である。後者は、杜甫・李白・王維といった盛唐の作品を中心に465首選んでおり、『三體詩』とは逆に中・晩唐期のものは少なく、白居易・杜牧は一首も選ばれていない。所收の詩は、全て明の高棅『唐詩品彙』(上海古籍出版社の影印本あり)から取られている。我が国での隆盛とは対照的に、中国では『四庫提要』が偽撰とみなしてからは全く顧みられなくなった。 | |||||
|
|||||
制作・著作:澁澤 尚 / 秋山 陽一郎 All Rights Reserved to H.Shibusawa & Y.Akiyama since 1999. |