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四庫全書四庫全書
【しこぜんしょ】
清の乾隆帝(けんりゅうてい)の敕命により、紀昀(きいん)が総編纂官となり、230人の学者が編集に携わって、1781年に完成した四部分類による一大叢書。『永樂大典』に収める書、宮中の蔵書、地方で発見された書、献上された書、巷間に流布している書等あらゆる書物の中から重要なものを選び出し、校定して写本を作り上げた。それを四部に分類し四つの書庫に分けて保存したのである。十年かかって3462種、79582巻の書を写して完成した。写本は全て七部作られ、朝廷用としてそれぞれ宮城内の文淵閣、奉天の文溯閣、熱河避暑山莊内の文津閣、圓明園内の文源閣に、一般用に揚州大觀堂内の文匯閣、鎭江金山寺内の文宗閣、杭州聖因寺内の文瀾閣に収められた。七閣中、文匯・文宗の二閣は太平天国の乱で、文源閣は義和団の乱で焼失し、他のものも引き続く戦乱により移動を余儀なくされた。現在では、文淵閣のものは北京故宮博物院に、文溯閣のものは遼寧省図書館に、文津閣のものは北京図書館に、文瀾閣のものは浙江図書館にそれぞれ保管されている。数社から文淵閣本の影印が出版されているが、抄本であることもあり、その歴史的價値に比べテキストにするには問題がある。「四庫全書」以外では容易に見られない書に限って利用すべきであろう。上海古籍出版社からは、「四庫筆記小説叢書」「四庫山川風情叢書」「四庫醫學叢書」「四庫藝術叢書」「四庫明人文集叢刊」といったシリーズで縮印本が出ている。なお、「四庫全書」のうち130種ほどは木活字で刊行され、それがいわゆる「武英殿聚珍版叢書」である。

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 文淵閣四庫全書(CD-ROM)【詳細
 (※画像のみの武漢版とテキスト検索が可能な完全版がある。)

'99,12,3、齋主補足)

制作・著作:澁澤 尚 / 秋山 陽一郎
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