Top - 工具書提要 - 叢書/輯本・叢書類
古逸叢書黎庶昌 古逸叢書
【こいつそうしょ】
清の黎庶昌が駐日公使として日本に滞在していたときに、我が国に残る善本26種を影印して刊行した叢書。影宋本・旧鈔本を多く含む。後の1919年、商務印書館から「續古逸叢書」が刊行されたが、ここにも『宋本杜工部集』『宋本南華眞經』等、貴重な典籍が影印されている。これらは、江蘇廣陵古籍刻印社から洋装で再影印され使いやすくなった。さらに、中華書局が北京図書館等に残る善本を「古逸叢書三編」として線装本の形で出版した。ここにも『宋本山海經傳』『宋本金石録』等多数の善本が収められている。

□補足
 楊守敬が清末に日本において探索し、後に古逸叢書に収録されることになった日本の各種古書の解題をまとめたものが楊守敬『日本訪書志』である。本叢書を本格的に利用するに当たって適宜参照しておきたい。廣文書局の書目叢編に光緒二十三年刊本の影印が収録されているが、現在では『楊守敬集』(湖北人民出版社)で標点化されているので、こちらの方が読みやすくなっている。また本邦の善本については、幕末〜明治の森立之・海保漁村らの『經籍訪古志』(これも書目叢編に収録されている)が狩谷棭齋旧蔵の稀書などに解題を施していて一見の価値がある。

'02,2,2、齋主補足)
'02,8,5、改訂二版)

制作・著作:澁澤 尚 / 秋山 陽一郎
All Rights Reserved to H.Shibusawa & Y.Akiyama since 1999.