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商務印書館 辭通
【じつう】
朱起鳳の編。意味が同じでも字形の異なる二字熟語、例えば彷彿・仿佛・髣髴・放物等を集め、歴代諸書の豊富な用例を列挙している。利用には、開明書店の活字本を上海古籍出版社が影印したものが便利。なお、同様のものに、符定一『聯綿字典』(中華書局)があるが、やや信頼性は落ちるようだ。

□補足
 このほかに通仮(音通・仮借)字を集めた簡便な字典として、高亨・恷。安『古字通假會典』(齊魯書社、1989)がある。近年の出土文献の成果も取り込んでおり、出土文献や今本古文献を読む上で是非参照しておきたい。猶、本来、電子文献の検索にもこうした通仮字の知識は不可欠であり、例えば「寶」字を検索する場合には必ず「葆」「保」でも併せて検索する必要がある。このようなノウハウを簡便に補うのにも高氏の『會典』や『辭通』は有効である。

'02,1,28、齋主補足)
'02,8,5、改訂二版)

制作・著作:澁澤 尚 / 秋山 陽一郎
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