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古史辨古史辨
【こしべん】
顧頡剛・羅根澤・呂思勉らが編著した、いわゆる「疑古派」の論文集。胡適が顧頡剛に、姚際恆の『古今僞書考』の点読を委嘱したのをきっかけに、両者の間で文通が始まり、その往復書簡をそのまま収録したのが、1926年に編刊された『古史辨』第一冊上編(樸社)である。その後、第七冊まで刊行された。中国古代神話を研究するうえで必読すべき、有名な楊寛『中國上古史導論』(第七冊上編)等も含まれている。現在では批判も多い「疑古派」であるが、中国古代史・神話を研究するものは一読すべきであろう。上海古籍出版社・上海書店等から影印本が出ている。なお、「古史辨」発表の論文を中心に『顧頡剛古史論文集』(中華書局)が刊行中である。

□補足
 『古史辨』の顧頡剛自序(顧氏半生の自叙伝)については邦訳が出ている(平岡武夫訳『古史辨自序』創元社、1940。のち1987年に岩波文庫からも『ある歴史家の生い立ち 古史辨自序』という題で刊行されている)。本編は顧氏の疑古主義の由来や背景が明らかにされており、興味のある方には是非とも一読をお薦めしたい。

近年、『尚書學史』(中華書局、1989。1996年訂補)で知られる顧頡剛門下の劉起釪氏が『古史續辨』(中國社會科學出版社、社科學術文庫、1991年)を公刊している。

'02,1,31、齋主補足)

制作・著作:澁澤 尚 / 秋山 陽一郎
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